更新日:2024.08.29 公開日:2016.03.17 身近な湿度のおはなし
冬よりも春の方が乾燥している?!
家庭でも企業でも冬は乾燥するため加湿をすることが一般的になりつつあります。
ただ、春が乾燥しやすいという点は、見逃している方が多いのではないでしょうか。
気象庁の観測データ「月別の平均相対湿度(%)、過去30年(1991~2020)の平年値」下のグラフを見ると
東京と福岡を除く広いエリアで、2月ごろから4月にかけて相対湿度が下がる傾向にあります。
参考文献|気象庁 過去の気象データ検索 よりグラフ化
日本列島は春と秋、移動性高気圧に覆われます。
春に訪れる移動性高気圧は、もともと揚子江流域で発生した「揚子江気団」によるもので、
暖かく乾燥した空気を含んでいます。
日本にはそのちぎれた一部が偏西風に乗って移動してくるため、春先の大気は乾燥し、
風の弱い穏やかな晴天となるのです。
またこの時期多くの方が悩まされる花粉ですが、最近では花粉だけでなく、
タクマラン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原から発生した黄砂の飛散量増加や
昨今大気汚染のキーワードとしてよく耳にする微小粒子物質(PM2.5など)が
大陸からの移動性高気圧に乗って多く運ばれてきます。
もともと乾燥している空気にアレルギー物質をのせ風が吹き込む点、気温が上がってくる点、
春になり加湿を止めてしまう点などの要因が重なり乾燥が進んでしまうのです。
実際、湿度対策に敏感な印刷工場や製造工場では、この時期特に乾燥を感じることが多いようです。
三寒四温を繰り返しながら本格的な春へと変わる季節、アレルギー物質からのどや鼻・目の粘膜を守るためにも
加湿対策を引き続き行うことで快適に過ごしたいものですね。