更新日:2023.01.10 公開日:2016.04.14 身近な湿度のおはなし
野菜や果物のおいしさを保つには?!
暖かくなり、色とりどりの野菜や果物のおいしい季節になりました。
家庭菜園を始める方が多いのも、この時期だと思います。
牛や豚などの動物、野菜・果物は全て生きているものですが、青果物は収穫後も、生き続けています。
呼吸をし、時間が経つにつれて栄養が減り、甘味や酸味が低下、徐々にしおれていきます。
青果物は収穫後も、生き続けています。
よりおいしい状態、鮮度を長持ちさせる為には、温度と湿度の管理が重要です。
固体差もあるのであくまで参考値ですが、貯蔵最適湿度の欄を見てみると、ほとんどのものが90%を超えていることが分かります。
90%以上の相対湿度を保つのは至難の業です。
では実際、どのように保存していけば、より長くおいしい状態を保てるのでしょうか。
まずは環境づくりです。
一番良いのは育った環境に近づけることですが、種類により異なるため家庭では通常、冷蔵庫の野菜室で保存するのが一般的であり、効果的です。
ただ冷蔵庫内は低温で相対湿度が低く安定しない環境です。
ですので、野菜をむき出しにしたまま保存すると、乾燥・劣化するスピードが早まるばかりです。
保存する際は新聞紙などで包み、保湿・保温を心がけましょう。
新聞紙がなければ、30ミクロンほどの厚みのポリ袋や、キャベツやレタスの外葉を利用すると同じ効果を得ることができますので活用しましょう。
原産地が熱帯や亜熱帯地方の野菜は、低温や湿度に弱いため、冷蔵庫保存は避けましょう。(タマネギ・ニンニク・じゃがいも・カボチャなど)
次に、エチレン生成量と感受性を把握することです。
エチレンとは、ガス状の植物ホルモンで、老化ホルモンと言われています。
エチレンのおかげで成熟し、老化(腐る)し、最後には種だけが残り、新たな命へとつながります。
生長には不可欠ですが、エチレンの発生によりその固体だけでなく、周辺の青果物を傷めてしまいます。
また、元々生成量が多いものと、エチレンによる影響を受けやすいものとがあり、『簡易表』からも分かるように、生成量と感受性は必ずしも比例していないようです。
そのため、生成量の多い野菜と感受性の強い野菜は近くに保管しないことをおすすめします。
余談ですが、じゃがいもの発芽を抑制するにはエチレンが効果的で、生成量が多いりんごと一緒に保管すると毒素を発するスピードを遅くするのに効果的なようです。
最後は、冷凍保存です。
栄養価や健康機能性を保つために、冷凍保存は有効な方法です。
冷凍・解凍しても食感が変化しにくい野菜は、購入後まとめて茹でた後、食べきれない分を冷凍保存することで、長くおいしく食べることができます。(ホウレンソウなど)
より良い保存方法で、春の味覚を楽しみたいですね。