更新日:2023.01.06 公開日:2019.08.30 身近な湿度のおはなし
ボールと湿度の関係
ゴルフボールは「湿度が高いと飛びにくい」と聞いたことはありませんか?
もしくはプレー中に、「今日は空気が重いから飛ばないな」と発言した経験がありませんか?
本当に湿度が高いとゴルフボールは飛びにくくなるのか、考えてみましょう。
湿度が高いと空気の密度が小さくなる
↓
空気抵抗が減る
↓
その中を飛ぶボールは、抵抗をあまり受けないのでよく飛ぶ
つまり、湿度が高い日に「空気が重いから飛ばない」というのは、勘違いということになります。
ちなみに、「標高が高いほど記録が出やすい」というのは、平地より気圧が低く空気抵抗が減るので、飛距離が伸びやすくなるためです。
それでは、野球ボールではどうでしょうか。
アメリカのMLBでは、公式ボールを保管する際の湿度と温度を設定して、どの球場のボールも同じ条件になるように統一しようという動きが出ているそうです。
なぜかというと、革製の野球ボールはゴルフボールと違い、湿気によって水分を含むため、ボールの保管場所の湿度によってボールの重みに差が出るためです。湿気を吸ったボールより、乾燥したボールのほうがよく飛ぶため、すでに湿度管理している球場もあります。
MLBのロッキーズの本拠地は標高1600メートル近くにあるため、最もボールの飛距離が伸びる球場といわれています。打球を抑えるため、2002年から気温21℃・湿度50%に保たれた保管室でボールを保管しています。
しかし、乾燥していると打者にとっては好条件ですが、投手にとっては良くありません。
ボールが乾燥しすぎていると滑りやすく、しっかり握ることができないため、湿度が低いアリゾナ州のダイアモンドバックスの本拠地でも加湿器を導入しています。ボールの保管場所の湿度は飛距離に影響を与えるようです。
湿度とボールに関してお話してきましたが、皆さんがお好きなスポーツは何ですか?
湿度の特性で考えてきましたが、湿度が高くてどんよりしている日より、カラッと晴れている日のほうが、気持ちよく打てて、記録も出そうですよね。
いい結果が出たときは、その日の湿度も気にしてみると、“最高のパフォーマンスが出せる湿度”を発見できるかもしれませんよ。