更新日:2024.09.09 公開日:2019.09.30 身近な湿度のおはなし

湿度とお月見

中秋の名月は、旧暦8月15日の十五夜にお月見をする風習で、
ススキを飾り、団子などをお供えして
きれいな月を鑑賞する伝統的な日本の文化です。
一年の中で月が1番美しい時期ともいわれますが、
どうして秋は月がきれいに見えるのでしょうか。

夜空の月がきれいに見える条件として、
湿度が低く空気が澄んでいることがあげられます。
湿度が高い場合、空気中の水蒸気が光を拡散してしまうため、月が見えにくくなってしまいます。
また、湿度が高いと雲も生じやすくなるため、雲が月で隠れてしまう可能性も高くなります。

それでは、秋以外の夜空をイメージしてみましょう。

春は季語に「おぼろ月」があるように霧が出やすいため、満月もぼやけて見えてしまいます。
また、花粉などの空気中の浮遊物が多いことも、おぼろ月になる原因です。

夏は一年で最も湿度が高いため、空気の透明度が低く、月は見えにくくなります。
湿度だけを考慮すると、最も乾燥する冬は月が見えやすくなりますが、月の高度が最も高くなるので、かなり見上げて月見をすることになり、長時間見るには適していません。

つまり秋は、湿度が低くなって空気が澄み、夜空に浮かぶ月がくっきり見え、のんびりとお月見するのに最も適している季節なのです。

ちなみに、湿度が低いときは、月だけではなく、星や遠くの明かりも鮮明に見えます。
就寝前のひととき、夜空の月や星を見て1日の疲れを癒やすのもステキですね。

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