更新日:2024.05.30 公開日:2023.05.25 身近な湿度のおはなし
梅雨に広がる髪。湿気との上手な付き合い方
梅雨の時期になると髪の収まりが悪くなり、悩みが絶えないという方は多いのではないでしょうか。
どうして湿気が多いと髪が広がり、コントロールが難しくなるのか、
また、梅雨の時期に注意すべき点を、湿度が与える髪への影響から考えてみましょう。
髪の毛にはいくつかの種類の結合がありますが、
その中でも、水素(H)と酸素(O)が結合する「水素結合」は湿度の影響を大きく受けます。
髪の毛の水素結合は、水に濡れると切れ、乾くと再結合します。
そのため、髪を洗っている時など、完全に濡れている状態では結合が切れているので、
髪はやわらかく、形は自在に変わります。
つまり、どのような形で再結合するのかによって、髪がまとまる時と広がる時があるのです。
例えば、お風呂上がりに、ブローをしながら乾かすと、
髪がまっすぐな形で再結合するため、きれいにまとまります。
しかし、湿度が高い時期は、髪が空気中の水分を含みやすく、
それによって水素結合が切れ、形が乱れます。
そのまま自然乾燥によって髪がうねった形で再結合すると、
髪の毛全体が広がってしまい、まとまらない髪になってしまいます。
湿気の多い梅雨の時期は、これが繰り返し起こっていると考えられます。
また、特に傷んだ髪は水分を吸収しやすい状態になります。
髪の毛の一番外側にはキューティクルがあり、髪の内部を守っていますが、
キューティクルがダメージを受けてはがれると、水分が内部に入りやすくなります。
髪のお手入れを日々行い、空気中の水分が入り込むこと防げたら、
髪の広がりも抑えることができます。
湿気によって髪が広がる原因は分かったので、
梅雨の時期に注意すべきポイントをまとめました。
・髪を洗った後は完全に乾かす
生乾きのままでの就寝や外出はNGです。髪の水素結合が断裂したままですので、
うねった形で再結合して髪が広がるリスクがあります。
・乾かしてからオイルでコーティング
空気中の水蒸気をできるだけ吸収させないよう、オイルトリートメントなどの油分で
髪をコーティングすると、まっすぐの状態を保ちやすくなります。
・ブローの最後は冷風で仕上げる
ドライヤーの熱で髪を乾かしたら、最後に冷風を当てて髪を冷ましましょう。
髪が冷める時に周りの空気中の水分を吸収するため、せっかくまっすぐの形で乾かしても、
湿気が多い時期だと再度水分を含んで広がってしまいます。
最後に冷風を当てて冷まし、水分を吸収するのを防ぎましょう。
ちなみに、世界最古の実用的な湿度計は、18世紀にヨーロッパで作られた毛髪湿度計です。
湿度が高いと伸びる毛髪の特性を利用し、金髪女性の髪を使って作られました。
髪の毛と湿度には、切っても切り離せない長いお付き合いですね。
髪が広がる原因を確認したので、梅雨の間も上手に付き合っていけそうですね!