更新日:2023.03.23 公開日:2021.12.21 身近な湿度のおはなし

石油ストーブは乾燥しない?

寒い季節にエアコンを使用して室温を上げると、気になるのが乾燥です。 ただでさえ乾燥している冬ですが、エアコンを使用するとより一層湿度が下がりますよね。
しかし、使用する暖房器具によって、湿度に違いが出ることをご存知でしょうか?

まずエアコンを使用したとき、室内ではどのようなことが起きるか考えてみます。
室温が上がると、飽和水蒸気量(空気が含むことができる最大の水蒸気量)が増えます。 そのためエアコンで部屋を温めると、室内の水蒸気量は変わらないままなので、相対湿度が下がります。
また、エアコンからの風が直接当たると、肌や髪から水分が奪われ乾燥を感じます。

それでは、石油ストーブはどうでしょうか。
ほかの暖房器具と比べてパワフルなため、とても暖かくなることや、電気を使用しないことなどの理由から、北国などの寒い地域では主流の暖房器具です。 そして、乾燥しにくいことも選ばれる理由の一つになっています。

室内の温度が上がるのはエアコンと同じなのに、どうして乾燥しにくいのでしょうか。
その理由は、石油ストーブが灯油を燃焼させているからです。灯油はH(水素)とC(炭素)の化合物です。 燃焼するときに酸素と結びついて、CO2とH2Oが発生します。つまり、二酸化炭素と一緒に水が発生しているので、乾燥しにくいというより、加湿も同時に行う暖房器具なのです。 しかし、二酸化炭素も発生するため、長時間の利用には換気が必須になります。

同じく灯油を使用する石油ファンヒーターも、同じ理由で乾燥しにくいです。また、ガスファンヒーターも、ガスが燃焼する際に同じく水分が発生するため、加湿の効果があります。
しかし、電気ストーブやオイルヒーターは、エアコンと同じく水分を発生しないため、室温が上がると乾燥していきます。

感染症対策として、相対湿度を40%以上に保つことが推奨されています。
暖房器具使用による乾燥が気になる場合には、加湿器の併用はもちろん、使用している暖房器具を見直してみてはいかがでしょうか。

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