更新日:2023.01.06 公開日:2022.03.25 身近な湿度のおはなし
日本最小湿度は0%
四方を海に囲まれた日本は、他国に比べると湿度が高い傾向にあります。
ところが、そんな日本で湿度0%を観測した記録があります。鹿児島県の屋久島で1971年1月19日に相対湿度0%が観測されました。
ほとんど目にすることのない相対湿度0%というのは、どのような状況なのでしょうか。湿度が0%なので、空気中に水分がまったくない状況です。 しかし、空気には水蒸気が溶け込んでいるので、目には見えませんが水分が必ずあります。そのため、地球上で湿度0%という状況はありえません。 とても乾燥している砂漠でも平均湿度は20~25%です。 もしも、本当に湿度0%になると、植物や動物の表面からも水分が奪われてしまうため、人間が生きていけない環境になります。
反対に、相対湿度100%はときどき見られます。湿度100%というと、水中をイメージしてしまいそうですが、水中には空気がありませんので、相対湿度は測れません。 相対湿度というのは、その温度の空気中に含みうる最大限の水蒸気量に対して、どの程度の水分を含んでるかを表したものです。 飽和水蒸気量いっぱいの水分がある場合に相対湿度100%となるので、多湿の日本ではよく見られる数値です。
それでは、観測史上最小湿度0%というデータは、なぜなのか。
実は、この日の屋久島でなぜ0%が観測されたのか、詳しいことはまだ分かっていません。 湿度の観測では四捨五入されるので、正確に言うと0.4%以下だったということになります。 0.4%だったとしても、人間が生きていけない環境に違いないため、 降水量が多く湿度が高いはずの屋久島で、湿度0%が観測されたというのは、まさに超自然的な現象と言えます。
地球上で湿度0%という観測データに説明をつけることは難しいですが、空気のない宇宙は湿度0%もありえる場所です。 民間人の宇宙旅行も可能になっているので、今後は湿度0%という観測データを目にすることが増えるかもしれませんね。