更新日:2023.01.06 公開日:2022.06.24 身近な湿度のおはなし
真夏にアイスは人気がない?
梅雨に入り、蒸し暑い季節になりました。いつもホットを頼んでいたコーヒーも、いつのまにかアイスを頼むようになった、という方も多いのではないでしょうか?
例年、気温25℃を超えはじめる5月ごろから、ビールやアイスクリームがよく売れるようになります。 このような消費者の消費行動は天気や気温、湿度などと売上データをもとに研究され、 販売戦略に活用されています。これをウェザーマーチャンダイジングと言い、 小売店や飲食店では気象予報をもとに消費行動を予想して、提供する商品や在庫数などを決めています。
アイスクリームは気温が25℃を超えると販売数が急激に増えますが、 もっと暑くなると売れにくくなります。気温が32℃を超え湿度が高くなると、 アイスクリームに代わってかき氷の売り上げが増えていくためです。 夏の風物詩とも言えるアイスクリームが真夏に売れないとは、 なんとも不思議な気がしますが、その理由は2つあります。 まず蒸し暑くなると、より食感が冷たいかき氷を食べたいと思う人が多くなるためです。 たしかに、真夏の灼熱の暑さでは、濃厚で甘いアイスクリームよりも、 キーンと冷えるかき氷を食べたくなる気持ちは分かる気がしますね。
また、夏に基礎代謝が低下することも影響していると言われています。 気温が高いと体温を維持するためのエネルギーが小さくて済むため、 暑くなると人間の基礎代謝は下がります。基礎代謝が低下すると、 さっぱりとした低カロリーのものを好む傾向にあるため、 梅雨に入り蒸し暑い季節が始まるとかき氷の人気が高くなっていきます。
一方で、かき氷は冬に食べる方がおいしいという意見もあります。 というのも、冬は気温も湿度も低いため、氷が溶けにくく、 美味しい氷を最後まで美味しいまま食べられるためです。 また、高級アイスで有名なハーゲンダッツ社のアイスクリームが最も売れる時期は、 夏ではなく冬の12月です。冷たいデザートだからと言って、 必ずしも夏にだけ人気があるというわけではないようです。 基礎代謝のことを考えても、あんこや甘い蜜をかけたかき氷や、 濃厚なアイスクリームは、真夏より冬に食べたほうがより美味しく感じるのかもしれませんね。
暑くなると売れ始めるものは他にも、アイスコーヒー、ざるそば、 メロン、牛乳、おにぎりの具材だと梅やサケ、明太子などがあります。 また、気温が下がると売れるおでんは、最も売れるのは真冬ではなく9~10月の秋口にかけてなのだとか。 ウェザーマーチャンダイジングのデータには、意外な事実がたくさんあって面白そうですね。
みなさんは、湿度が高くなると食べたくなるもの、ありますか?