公開日:2023.03.24 身近な湿度のおはなし
桜開花が早い都市は、乾燥化が進んでいる?
3月中旬ごろから、桜の開花ラッシュが始まりましたね。
2023年一番最初の開花は、3月14日の東京でした。
実は東京の開花は、過去5年間の観測で毎年全国5位以内と、桜の開花が早い地域なのです。
気候が比較的暖かい西日本ではなく、東京で一足先に開花するのは不思議ですよね?
それには、「ヒートアイランド現象」が関係していると言われています。
ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周辺の郊外部と比べて高くなる現象のことです。
東京のような都市部に多いアスファルトやコンクリート等は、
日射による熱の蓄積が多く、夜になっても熱を逃がさず、
気温が下がりにくい現象が起こっています。
また、産業や社会活動による排熱が集中していることも、
ヒートアイランド現象が起こる要因の一つです。
こうして都市化が進むことで、気温が年々高くなっていることが、
東京の桜の開花を早めていると考えられています。
また、ヒートアイランド現象は、乾燥化も引き起こしています。
気象庁が公表しているデータによると、
都市化率が大きい地点ほど年平均相対湿度の低下率が大きいことが分かります。
気象庁のサイト
ヒートアイランド現象によって気温が上がることで、
飽和水蒸気量が増加し、相対湿度が下がってしまうことが主な要因とされています。
また、都市化により植物が少ないことも影響しているのだとか。
もちろん、ヒートアイランド現象は東京だけでなく、都市化が進む全国の都市で起きています。
これまで乾燥が気にならなかった、という地域の方も、
乾燥対策が必要になる日がやって来るかもしれません。
桜が咲き始めたら、「暖房器具と一緒に加湿器もしまおうかな?」
と思っている方も多いと思いますが、ちょっと待ってください!
都市化に関わらず、春は1年で最も乾燥している季節ということをご存じですか?
春の乾燥について詳しく知りたいという方はこちらの記事を確認してみてください。
桜も以前より早く咲くようになっているし、乾燥も年々ひどくなっています。
それに、花粉が飛ぶ季節は加湿で対策できます。
加湿器は春こそ大活躍しますよ!