公開日:2023.04.25 身近な湿度のおはなし
赤ちゃんが快適な湿度は?
生まれて間もない新生児は、まだ内臓や神経が成熟しておらず、温度や湿度に非常に敏感です。
室内で1日の大半を過ごす赤ちゃんのために、室内の環境を整えてあげる必要があります。
赤ちゃんが快適に過ごせる部屋の湿度は50~60%が目安ですが、
四季のある日本では、季節に合わせて調節しなければ保つことができない湿度です。
湿度管理ができていない場合に、赤ちゃんに与える影響を考え、
注意すべき点を確認しておきましょう。
■湿度が高い場合
湿度が高すぎると、ダニやカビが発生し、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、
アトピー性皮膚炎などを引き起こす可能性があります。
布団などの布製品の上で1日の大半を過ごす赤ちゃんですが、
ダニやカビが発生しやすい場所でもありますので、湿度管理が必要です。
湿度が高いと汗が蒸発せず、体に熱がこもってしまう可能性もあります。
赤ちゃんの体温は36.5~37.5℃と、大人よりも高いうえ、体温調節の機能も未熟です。
気温28℃、湿度70%を超えると、熱中症のリスクが高まるので注意しましょう。
また、体温が常に高めな赤ちゃんは汗をかきやすく、
あせもやかぶれなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
人間の体感温度は、同じ室温でも、湿度が低いと寒く感じ、湿度が高いと暑く感じます。
温度と湿度の調節をして、熱中症や肌トラブルを予防しましょう。
特に梅雨の時期は、真夏よりも熱中症への警戒が低くなりがちな時期ですので注意してください。
■湿度が低い場合
お肌がぷるぷると潤っているイメージがありますが、
実は赤ちゃんのお肌は乾燥しやすいと言われています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、皮膚が大人の半分ほどしかなく、肌のバリア機能が未熟です。
お肌の乾燥による影響は、かさつきや湿疹が出るなどの肌トラブルだけではありません。
肌が潤っていると、微生物や細菌から体を守ることや、
体の水分が過剰に蒸散するのを防ぐことができますが、乾燥するとその機能が働きにくくなります。
また、鼻の粘膜が乾燥すると、細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなり、
鼻づまりやせきなどの症状が出たりする可能性が考えられます。
生後間もない赤ちゃんは、お母さんの母乳や胎盤から免疫を受け取っているため、
免疫機能が少し高めですが、
半年を過ぎるとその免疫も少なくなり、1歳半頃までは免疫力が低い状態が続きます。
大人にとっては軽い風邪でも、免疫力の低い赤ちゃんは重症化することもあります。
さらに、湿度が低いとウイルスが活発になるので、
湿度が低いときは、加湿器を使用して適切な湿度を保ちましょう。
ちなみに、加湿が必要なのは冬だけだと思っていませんか?
エアコンを使用すると室内が乾燥するため、
夏でも室内の湿度は低くなっている可能性がありますので、注意しましょう。
■赤ちゃんが快適に過ごすための湿度管理
|湿度40~60%を保つ
|夏は湿度が上がりすぎないよう、除湿器や換気を行う
|冬や夏のエアコン使用で湿度が低いときは加湿器を利用する
|加湿器は湿度が上がりすぎないよう管理する
湿度に敏感な赤ちゃんが、快適かどうかは大人には分かりにくいですよね。
ミルクをあげても、あやしても赤ちゃんが泣き止まない時は、湿度が原因かもしれません。
ベッドの近くに湿度計を置いて、湿度管理をしてあげることをおすすめします。