公開日:2024.12.24 身近な湿度のおはなし
空気の乾燥はイルミネーションをきれいに見せる?
クリスマスシーズンは街中にイルミネーションの装飾が施され、
きれいな風景は歩いているだけでも、ワクワクしてきますよね。
冬にイルミネーションがきれいに見えるのは、湿度の影響が大きいことをご存知でしょうか?
湿度が低い冬だからこそ、光り輝く装飾をめいっぱい楽しめるのです。
イルミネーションがきれいに見える条件は、3つあります。
まずは晴れていることです。雨や雪が降っていると視界が遮られてしまいます。
もう1つは湿度が低いことです。湿度が低いということは、空気中に漂っている水蒸気が少ないということです。
空気中の水分が多いと光を拡散してしまい、遠くの景色がぼやけて見えてしまうため、
より乾燥している空気のほうが、光をくっきりと見ることができます。
そして、空気中に漂うホコリやチリなどの浮遊物を吹き飛ばしてくれる風が強いと、
さらにイルミネーションがはっきりと見えるでしょう。
同じ理由で、空に浮かぶ星もきれいに見えるため、星空観察もしやすい季節です。
イルミネーションの始まりは、クリスマスマーケットでも有名なドイツだと言われています。
起源は16世紀、まだ電球も発明される前に木の枝にろうそくを飾っていたそうです。
現在は電飾になりましたが、ドイツを含むヨーロッパでは、イルミネーション文化が根付いています。
本場ドイツと日本のクリスマスイルミネーションは、どちらがきれいに見えるのか、
先ほど紹介した3つの条件から比較してみます!
2023年12月の気候をドイツ・ベルリンと東京で比べてみました。
[ドイツ・ベルリン]月平均温度 4℃ 降水量 128mm
[ 日本・東京都 ]月平均温度 9.4℃ 降水量 19.5mm
本場ドイツのほうが気温が低く、空気が澄んでいて、遠くの光まできれいに見えそうですね。
しかし降水量で比べると、本場のドイツよりも東京の方が、
イルミネーションがきれいに見える日が多いと考えられます。
湿度が低い時期は、イルミネーションや星がきれいに見えることをご紹介しましたが、
日本の夏の風物詩である打ち上げ花火も、実は冬のほうがくっきりと見えます。
実際に冬の花火大会も人気が高まっているようです。
しかし、空気が乾燥していると火災の危険性も高くなりますので、
花火大会を開催する場合は夏以上に注意が必要です。
湿度が低いと、イルミネーションがきれいに見えるということをご紹介しました。
乾燥が厳しいクリスマスシーズンは、外ではイルミネーションを楽しみ、
室内では加湿するなどして体調を崩さないように気を付けながら楽しんでくださいね。